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薬剤師平野 欽也KINYA HIRANO
「傷寒論」をはじめとする数々の漢方の古典を精読し、漢方の使用方法を身につけてきました。
また、漢方に関する研究会にも数多く参加し、その普及に努めてきました。
これまで、「富士ニュース」に数多くの「漢方閑話」と題するコラムを掲載してきております。
皮膚病でお悩みの方
漢方で皮膚をよみがえらせよう
皮膚病治療の第一歩はご自身の皮膚病がどのような原因により起こっているのか知ることが大切です。漢方による治療法は、副作用も少なく、効果的な方法の1つです。
食養・漢方による体質改善
私達の食生活は戦後大きく変わり、欧米化して、野菜摂取の不足、パンと牛乳の生活が普及し、長寿社会が実現する一方で、複雑な病気も増えてきました。
その解決策として体質を改善する知恵が中国数千年の漢方の中に生かされているのです。
皮膚病と漢方
ヒトの皮膚はこんなに薄いのにその機能が一端こわされますとかゆみや発疹、赤み、水泡、化膿、かさぶた、こわばり、がさがさなどの障害に悩まされます。
漢方には医食同源と言う言葉があり、食べ物で病気を治し漢方薬はその延長線上にあると考えられています。
アトピー性皮膚炎と漢方
痒みがひどく夜も眠れない、顔や首、手足の関節部分を中心に赤み、ぶつぶつ、カサカサ、液が出る等。よくなったかと思うとまたぶり返し慢性的に経過する。調和のとれた食生活や漢方を摂取しながら、アトピー性皮膚炎と向き合いましょう。
女性の大敵”皮膚のトラブル”
美しい素肌美しい素肌はすべての女性の願いです。シミ、しわたるみなど現実には女性の悩みは絶えることがありません。大切な事は、内臓を丈夫に保ち、肌の潤い、つや、なめらかさ、張り、弾力性、血色は「五臓」がもたらす「気」、「血」、「水」のめぐりによって維持されています。
季節と皮膚病
春夏秋冬の季節のバイオリズムによく順応する人は健康で皮膚の働きも順調ですが、季節の移り変わりに順応できない時には病を発生します。 漢方理論では、お客様ひとりひとりの病態を把握し、お困りの症状を治すだけではなく、再発しにくいように体質を改善させることが可能です。
不妊でお悩みの方
1. 卵巣年齢
卵巣の若返りをはかりましょう
卵巣は、細かい血管がたくさん集まり、多くの血液がめぐっています。卵巣は血液の貯蔵庫です。漢方では「補気」、「理気」、「活血」、「補腎」などといった方法を用いて卵巣や子宮の血流量の改善をはかることが出来ます。
2. 基礎体温表をつけましょう
体温は低温期と高温期の二層性になっていますか?基礎体温を測定することによってあなたが今どのような体調にあるか知る手がかりになります。漢方は現代医学と違って、からだの全体像から体質を判断し、症状にあった薬を選択していきます。
3. 漢方のからだに対する考え方
(陰陽について)
現代医学では人間のからだを細胞が基本となって構成され、からだの各臓器はその細胞が集まって出来た部品の集合体のように考えています。それに対して中国の伝統医学である漢方は、人体を小さな宇宙と考えています。自然界の大宇宙の営みが小宇宙である人体でも起きていると考えるのです。漢方の理論を月経周期に取り入れる事で、月経周期調整法という漢方独自の調整法が見えてきます。
4. 月経周期調整法(周期療法)
月経周期調整法は、陰陽の考え方を基にして月経周期を月経期、卵胞期、排卵期、黄体期という4つの時期に分けています。
この4つの時期を通じて、女性ホルモンの卵胞ホルモン(陰)と黄体ホルモン(陽)のホルモンは、協調し合いながら月経周期を展開するのです。図のような流れを基礎に、お客様の体質に合った漢方を選択していきます。
その他の症状でお悩みの方
生活習慣病
日本人の食生活が欧米化して久しくなります。これに加えて運動をあまりしなかったり喫煙により、糖尿病、脂質異常症、高血圧、メタボリック症候群といった生活習慣病が増えています。
これらの病気自体はあまり自覚症状がありませんが、心筋梗塞や脳梗塞の危険性が増してきます。
これに対し、漢方ではお客様の体質を見極め食養生も勧めていきます。ダイエットをしたいという方もご相談ください。
痛 み
痛みといっても風邪による頭痛、女性の生理痛などの身近なものから、慢性的な頭痛、腰痛、関節痛など様々です。
これら、原因は何であれ、NSAIDsと呼ばれる非ステロイド性消炎鎮痛剤がよく使用されます。
漢方ではその原因にいくつかの考え方があり、薬も異なります。
そのひとつに“不通則痛”という言葉があり、血の流れが滞っている場合に痛みがおきる事があります。
めまい・耳鳴り
めまいや耳鳴りに悩まされる方も多くいらっしゃいます。
漢方は「五臓」の医学とも呼ばれ、「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の5つの臓器のうちのいずれかの臓器の機能の乱れにより病気になると考え、めまいや耳鳴りは「肝」や「腎」が関係していることもあります。
グルグルまわるようなめまいやフワフワするようなめまい、これに伴って不眠があったり、ストレスを感じていたりする方、蝉がなくような耳鳴りがするような方はぜひご相談ください。